授業とノート

■授業とノート。速記をまとめる、という考え方

 ノートの大きな、そして悩ましい問題は、「その瞬間に完結させるか」ということです。
 授業中は、間違いなくノートを取るよりも早く授業は進んでいきます。研修や会議もそうですね。議事録を作る人は苦労をするはずです。
 授業内でノートを完成させる。その瞬間に完結させることは理想ですが、それはなかなか難しそうです。
 なぜなら、その授業で行っている事だけでなく、関連知識も含めた理解を、その授業を受ける時点でしておく必要があるからです。
 ですので、授業内でノートを完結させることは難しい、ということをまず意識しておく必要があります。
 なぜこれを意識しておく必要があるかというと、ノートが不完全なものである、という前提がない限り、ノートを見直したり、まとめたりすることが難しくなるからです。見直すのもまとめるのも、単純に言えば面倒くさいので、最初からやるべきことのセットに入れておくことが重要なのです。
 その上で、授業中に取るノートは、後になってまとめやすくするための工夫が必要になってきます。
 後でまとめる、と言っても、そこでふんだんに時間が使えることはまれでしょう。授業中に書いたものを、関連付け、情報に順位を付け、できれば補足や注釈を入れる。
 それが、授業外でノートをまとめる、ということです。
 となると、そのまとめを行うための情報を、最低限授業中にノートに書いておく必要があります。
 その時に重要になるのが、矢印や不等号など、関係性を表す記号です。
 関係性を言葉で表すのは難しいので、記号を使うことで時間を短縮することができます。
 また、字のきれいさについても、綺麗さをそれ程追求せず、少なくとも読めるように書いていく事で、これも時間を短縮することができます。
 ちなみに、ノートに字を書くときに重要になるのが、字の大きさと感覚です。これをそろえるだけで、パッと見た時に大幅に見やすくなります。
 このように、ノートは授業中と授業後で完成に近づいていきます。また、その後であっても、気づきや学びがあるたびごとに書き込みができるとなおよいですね。
 そのような観点からも、ノートは余白をたっぷりとったほうがよいのです。

絵や画像を活用する

■絵と画像を活用しよう

 私たちが生まれ、成長する中で、絵や画像など、つまり、目から入ってくる形の情報と、文字を理解することは、どちらが先でしょうか?
 また、私たちが進化する過程の中で、形の情報と、文字、どちらが先だったでしょうか?
 これは、ノートに絵と画像を活用することの意味を教えてくれます。
 私たちにとって、絵や画像は、文字よりもはるかに「わかりやすい」ものです。生き物として、そうなのです。
 文字は、世の中にある現実を置き換えた記号です。ですので、文字を理解する、ということは、必然的にいくつものステップが必要になります。
 それに対し、絵と画像は、見た瞬間にそれが何かわかります。そして、同じスペースであっても、文字よりもはるかに多くの情報を教えてくれます。
 ですので、ノートには、できるだけ絵と画像、さらに言えば図があるといいのです。
 これは、社会や数学で特に有効です。
 社会では、ただの暗記よりも、絵や画像、図を使ったイメージや関係性をとらえたほうが有効です。
 そして、数学でも、関数のグラフや、図形などはもちろんのこと、文章題などでも、そこで与えられた情報を図にすることで、遥かに理解しやすくなります。
 実際に、数学が得意な人に話を聞くと、彼らの「イメージで理解する力」の高さに驚かされます。
 仕事の上でもそうですね。言葉だけでは複雑なことでも、概念図を使うことで一気にわかりやすくなることがあります。
 少し話は変わりますが、このことは暗記をするときにも非常に役に立ちます。
 円周率(3.1415… のやつです)暗記の世界チャンピオンだった人が紹介していた暗記法として、自分の部屋をイメージし、そこに並んでいる家具をビジュアル的にイメージしながら、そこに情報を当てはめていく、というものがありました。
 これは、ビジュアルイメージを暗記に結びつけることで、ただの数字よりも覚えやすく、また忘れにくく、さらに言えば、思い出しやすくなる、というものです。
 ことほど左様に、私たちはビジュアルによって助けられます。
 あなたも、ぜひノートに、ビジュアルを取り入れていってください。

ノートの字と色

■ノートの字と色

 中学生や高校生などで、非常にカラフルなノートを作る人がいます。
 このこと自体は悪い事ではありません。色が私たちの脳に働きかける力は強く、効果を高めることができるからです。
 ところが、多すぎる色は、全く色がないよりもよくない状況を生み出すことがあります。
 色を見た時、その色の意味も含め、私たちは理解しようとします。その分、脳に負担がかかります。
 色を使う意味というのは、この負担をあえてかけることで、脳を働かせ、情報の吸収力を高めるところにあるのですが、それが多すぎると逆効果になってしまいます。
 これと同じように、ルール無く色が使われている場合も逆効果になります。例えば、重要なものは赤で書く、というルールがある場合は、原則赤は、重要なもの以外で使ってはいけません。脳を混乱させてしまいます。
 総合すると、1ページの中で使われる色は、黒を含めて3色程度が適切です。もちろん、カラフルなノートを作ることで気持ちが高まり、それによって学習効果が高まることもありますので、一概に3色以下にするべき、とは言えませんが、まずは色数を減らすことを意識してみましょう。
 次に字です。
 小学校などでは、とにかくノートの字はきれいに書くことを求められます。
 これ自体は、良くも悪くもありません。なぜなら、ノートをきれいな字で書くことは、メリットもデメリットもあるからです。
 そもそも字がきれいな人はともかくとして、字を書くのがあまり得意ではなく、遅い人がいたとしましょう。
 この人が、ノートの字をきれいにしようとすると、必然的にスピードが落ちます。また、字を書くことに集中するあまり、話している内容が頭に入りにくくなります。
 これは、非常に大きなデメリットです。社会人なら、ICレコーダーなどもありますし、スマホで簡単に録音できるので、録音しておいて後で文字お越しをすることはできるでしょう。
 ですが、学生の場合はなかなか難しく、授業後にまとめる、というのは、一部の人を除いて現実的ではありません。 
 その際には、ある程度字のきれいさを犠牲にしてでも、スピードを重視する必要があります。